【この記事は約5分で読めます】
どうも、生活保護申請随行ボランティアマンのえらいてんちょうです。
先の生活保護に関する記事がたくさんのひとにご好評いただきましたので、私が見てきた生活保護受給者の実態をもう少しお話します。この記事は、
先の記事の続きですので、もしこちらの記事を最初にご覧になって方も一度そちらをご覧いただければ幸いです。5分で読めます。
今回も先に申し上げたいのは、生活保護者はクズだから税金やるな、とかそういった気持ちはいっさいありません。大半のひとは、家賃を支払い、生計をつつましく維持されていることを存じていますし、また逆に、クズだからこそどうやって社会的に包摂していくかが重要だと考えています。(私は疲れたので個人的にかかわりたくはありませんが・・・お腹すかせて目の前にいたら、食事はあげます。それ以上はしない)
【家賃として渡されたお金もギャンブルへ】
生活保護の支給金は、地域や世帯の人数によって異なるのですが、だいたい8万円+5万円(家賃)です(独身男性の場合)。合わせて13万円が、月末に現金で支給されます。受給者は、区役所ないしは福祉事務所に直接取りに行きます。申請すれば、振込や家賃の直接払い制度も利用できますが、原則は現金手渡しです。
受給者には支出に問題があるひとが多いことは先に述べたとおりです。はい、予想つきますよね?生活費の8万円だけでなく、家賃として渡された5万円も、残らず使い切ってしまいます。タバコです。酒です。脱法ハーブです。パチンコです。競馬です。競艇です。
最初から家賃は家賃として天引きしろよ、といいたくなると思います。しかし、直接払い制度は本人の同意がないとできないんですね。国民の財産を勝手に処分することは、憲法で禁じられております。家賃を直接払いにするというと彼らは、「お金が5万円減る」以上の感想を持ちません。
【最終通告書はもう見飽きた】
3か月くらい滞納したところで、家にも管理会社や大家がガンガンくるようになり、住みづらくなってきます。弁護士事務所から、何日までに支払ってくださいという最終通告書がガンガン届きます。家を借りるときに緊急連絡先(保証人ではない。こうなることは目に見えているから)になっていた「えらいてんちょう」の自宅にもガンガンきます。週1で届きます。どれだけ最終通告するんだよって感じです。
【一番悲惨なのは大家さん】
未払いから3か月くらいたったところで、夜逃げして、家を捨て、2週間後くらいホームレスをやって、また別の場所で生活保護を申請して家を借りるというパターンのひともいました。生活保護には無差別平等原則というものがあり、この前家賃払わずに逃げたからといって、生活保護の申請があれば、いまの状況に応じて保護しなければなりません。
悲惨なのは大家です。夜逃げされたからといって、賃貸契約は生きているので、裁判を経て勝訴・強制執行をしないと、適法に家を原状回復することができないのです。大損どころじゃありません。
そんな人間の審査を通してしまった自身の見る目のなさを反省するとともに、次回から生活保護の方をいれる際には直接払い制度の利用を条件にすることをおすすめします。
【これは家賃ですと渡されたお金を家賃として振り込むことは、限られた人間だけができる特殊能力です。】
彼らは、踏み倒してやろうと思って家賃を払わないわけではありません。気づかないうちにお金がなくなっていて払えないのです。
これは家賃ですと渡されたお金を家賃として振り込むためには、数多くの明示されていない条件が必要です。
①家賃という概念の理解
②振込という概念の理解
③振込の方法の理解
④家賃は払わねばならないという規範
⑤規範を破って欲しいものがない状態
⑥振込の実行をする体力気力
などを、例としてあげることができます。
彼らが家賃を支払わないことについては、いろいろなパターンがあります。
①振込の方法がわからない+薬物依存症+目の前の欲しいものを我慢できず買ってしまう というパターン(この記事のT)
②目の前の欲しいものを我慢できず買ってしまう+一度自分の口座に入ってしまうと、自分が自由に処分できる金と勘違いしてしまう(この記事のS)
③「家賃を払うとは約束したし、確かに自分はそこに住んでいるけれども、自分が住んでいることで家が荒らされないし、掃除したりいろいろしてあげてるんだから、その分で家賃など払わなくてもお釣りが来るだろう」という理屈で払わないM
などが、私が詳しく知っているパターンです。「支援者たるお前がなんとかしろよ」という意見もおありでしょうが、すでに成人した人間を、それも大して齢も違わないわたしが教育するというのは不可能であると思われます。
【まとめ:それでもなんとかなっている】
私は、とくに改善すべき点はないと思っています。教育の失敗は一定程度でますし、個人がそれに対してどうにかするというのも無理な話ですし、国は一生懸命やってくれています。彼らも、餓死していません。
「もっとこうしろよ」という方は、現場にいって奮闘努力してみてください。
もやいや
TENOHASHIがこういった活動をしております。応援しています。
生活保護シリーズまとめ
①
「貧困は社会のせいだ!」と信じて、生活保護申請随行のボランティアをしたら、クズばっかりだった話
②「
これは家賃です」と渡されたお金を家賃として振り込むことは、限られた人間だけができる特殊能力です。
③
生活保護支給日の前は、区役所の公園でタバコが1本50円で売られる
④
生活保護で遊戯王カードを買い漁る33歳自閉症
⑤
生活保護を受け続けられるのは、限られたエリートです
⑥
ホームレスを保護したら40万円盗まれた話
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