寅さんはシェアハウスに帰ってこられるかー「男はつらいよ」に学ぶ革命論

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  育児の片手間にアマゾンプライムの動画を毎日1本以上見ています。「えらいてんちょう」と申します。今回は「男はつらいよ」のお話。


 【男はつらいよ概説】

 主人公の「寅さん」は、テキ屋稼業。幼く両親を亡くし、叔父母に養育される。10代で家を飛び出し、20年後に、実家の団子や「とらや」に帰ってくるところから物語は始まる。ヒロインに毎回振られる。

 【なぜ、いま男はつらいよなのか】

 私もまぁ分類するならば「左翼」の端くれなのですが、昨今のバカサヨクのはびこり方が目に余ります。天皇を蔑ろにして、気持ち悪い旗を作って国会前にいき、キチガイの目でテレビの取材を受け、エグザイルやAKBを小ばかにするとなれば、大衆の支持は得られず、共謀罪も成立するに決まっています。
 いま左翼は理論的な転回を求められています。そして適切に「大衆」を代表するためには、ポップカルチャーの分析が必要不可欠です。
 「男はつらいよ」は、まさに全共闘と同時期に出てきた文化です。全共闘が敗北を迎えた1968年に出てきた映画です。いってみれば、インテリの大学生が革命と騒ぐなかで、大衆は何を欲してきたのかを分析する一番良い教材であるといえます。

【フーテンの寅さんはオートロック付きのマンションには帰ってこられない】

 俺はもう帰ってこねえよ、といいながら出て行った寅さんが毎年帰ってこられるのは、実家の「とらや」が店舗付き住居だからです。いつでもおじちゃんとおばちゃんがいて、外からその様子が見える。中からもその様子が見える。だから、大見栄切った寅さんも帰ってくることができます。
 これが、車家がオートロックのマンションだったら、絶対一生帰ってこられません。普通の一軒家でも難しいでしょう。
 寅さんが帰ってきたとなったら、帰ってきたらしいという噂を聞きつけた近所のみんなが駆け付けて、「とらや」で宴会が始まります。一般家庭でこのようなことができるでしょうか。非常識にすぎ、できません。
 「タコ社長」の印刷工場が、入館管理をICチップでしていたら、果たしてひろしはさくらと結婚しているでしょうか。絶対できないのです。
 店舗付き住居と、それに基づく人間関係が、ホームレスの寅さんに生活の安定をもたらしているわけです。

【家賃・賃金が発生しないことのメリット】

 併せて、「とらや」の建物が持ち家であり、家族経営であることも大きな特徴として指摘できます。
 家族経営ということは、給与が発生していません。給与が発生するということは、給与を払う人間がいるわけで、自分もショボい自営業で人を雇うことがあるのでよくわかりますが、給与を払っている時間は余計なことをしていては困ります。最大限の生産効率で作業をしてくれないと、給与を払っている側が大損してしまうからです。なので、寅さんが営業時間中に帰ってきても、ちょっと待て、いま忙しいから、といなしてしまうでしょう。すると、もはや寅さんは帰ってきません。
 家賃についても、給与よりは額が少ないですが、ほぼ同様の指摘をすることができます。


【現代のシェアハウス運動にあてはめて考える】

 さて、現代の現実に話を戻しましょう。現在大きな運動の流れとして「シェアハウス運動」があります。渋家りべるたんサクラ荘など、成功しているものから、失敗しているものまで枚挙に暇がありません。単純に貧乏な学生の生活の場として成立しているもの、アートやITの同業者の交流の場として成立しているものまで、種々累々のシェアハウスが存在します。どれも、ホームパーティなどを開き、新たなメンバーを募集するなど、オープンであることを強調しています。しかし、この中で、フーテンの寅さんが帰ってこられるシェアハウスはいくらあるでしょうか。私は、皆無だと考えます。

【寅さんは現実にたくさんいる】

 さまざまな活動をしていますと、いろいろなひとと出会い、またいろいろな人が去っていきます。それ自体は当然のことなのですが、私は不義理をして出て行った人間も戻ってこられる居場所づくりこそ重要なのではないかと考えています。そして、それができるのは店舗付き住居だけであると考えています。

 業種自体はなんでもいいし、適当にやっても家賃くらいは捻出できるものです。(これは後程、てきとう自営業のすゝめに譲ります。)皆で知恵を出し合って、寅さんが帰ってこられるオルタナティブスペースの建設をしませんか?その一端を担えれば、当ブログとしては望外の喜びです。

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